(6/22)【青色のストラップ】 1.2
「え……」
「もしかしたら、また何か起こるかもしれない……」
珠洲は気難しそうな表情をしながら言った。
*
東大路小学校は、始業のおよそ十五分程前、大半の児童達が登校して来る時間帯を迎えていた。珠洲も自分の席まで辿り着き、机の上に背負っていた赤いランドセルを降ろした。
「おはよおー」
珠洲の級友、宝塚耐が彼女に挨拶をしてきた。耐の髪は黒のセミロングで、ピンクと赤の大きなリボンを付けた白のローブを着用していた。
「あ、おはよ……」
「……今気付いたんだけど、珠洲ちゃんのそれ……」
「え……?」
耐は間髪を入れずに珠洲のランドセルについていたオレンジ色のお守りを指して言った。
「美濃くんも同じようなのを付けてたような……」
「……あ……、うん……」
「……どこか、行ってきたの?」
「え……? うん、上賀茂……」
珠洲はお守りを手に取ると、穏やかな笑みを浮かべながら答えた。このお守りは珠洲と美濃が上賀茂神社に参拝したときに買ったもので、美濃も同じ青色のお守りを自分のランドセルに付けていた。
「えっ……!? また火事があったの……?」
その直後に前の方の席から大きな声がした。珠洲が驚いて振り返えると、そこで三人程の男子と女子が会話をしていた。
「……うん……、熊野の方、うちの近所なんだけど……」
そのうちの一人、安場千枝が椅子に座りながら答えた。
「……なんか、最近多いよね、一昨日も今熊野の方であったし……」
彼女の隣の席の机に腰掛けていた別の少年がそれに続いた。
珠洲はきょとんとした顔をしながら彼女たちの話を聞いていた。丁度そのとき、珠洲の携帯電話のバイブレーターが数度作動した。
「……?」
耐は不思議そうな顔をした。珠洲はスカートのポケットから携帯を取り出して画面を開けた。
「え……」
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